KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

国語教育学会のシンポジウム

8月3日(日)、筑波大学附属小(茗荷谷)での国語教育学会のシンポジウムにスピーカーとして招かれた。国語教育学会では、去年初めて大学部会ができて、今回は大学部会の記念すべき第一回目のシンポジウムだったのだそうだ。

聴衆は30人くらい。20分の持ち時間をもらって、富山大学での言語表現科目が10年間どのように運営されてきたのかということを話した。大学における日本語教育がどのようなことを教えるべきかという、内容に踏み込んだ話もまたおもしろいけれども、今回は内容に踏み込まずに、運営的な部分を中心に話してみた。

驚いたのは、会う人みんなが『自己表現力の教室』を読みましたといってくれたこと。一冊の本の影響力が大きいことを感じた。この本のおかげで、このシンポジウムに招かれたと考えてもいいのだろう。

同時並行の他の部会に比較すれば、この大学部会に参加した人は少ない。しかし、参加者の多くが、実際に自分の勤務校で苦労しながら「大学生のための日本語教育」を実践している教員だ。こういう人たちが真剣に聞いてくれたので、私もとりわけ気持ちよく話を提供することができた。こういうときに、よい聞き手がよい話し手を作るのだということを実感する。

国語教育学会が大学教育部会を作ったというのは、象徴的だ。それを考えると、大学教育学会が、日本語教育部会を作ってもなんらおかしくない。