コミュニティ・オブ・プラクティス―ナレッジ社会の新たな知識形態の実践 (Harvard Business School Press)
- 作者: エティエンヌ・ウェンガー,リチャード・マクダーモット,ウィリアム・M・スナイダー,櫻井祐子,野中郁次郎,野村恭彦
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2002/12/18
- メディア: 単行本
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実践コミュニティの構造モデル:「領域、コミュニティ、実践」
- 領域:メンバー間に共通基盤を作り、一体感を生み出す。明確に定義することによって、コミュニティの目的と価値をメンバーに確約し、コミュニティを正当化する。コミュニティの存在理由。
- コミュニティ:学習する社会的構造。メンバー同士のお互いの尊重と信頼により、相互交流が活発になり、豊かな関係が生まれる。学習は頭だけでなく、心も必要。
- 実践:メンバーが共有する一連の枠組み、アイデア、ツール、情報、様式、専門用語、物語、文書など。コミュニティが焦点を当てるテーマが「領域」であり、「実践」は、コミュニティが生み出し、共有し、維持する特定の知識を指す。
コミュニティの発展段階に5つ。 潜在、結託、成熟、維持・向上、変容
コミュニティの原型は、失われた地域社会である。「公共の場」で生活し、考え、会話を交わすことので着る場所という意味で同じ。伝統的な近所づきあいから離れるとともに、組織生活では実践コミュニティが重要な存在になってきた。
掲示板やメーリングリストでは、参加者は発言を通してしか他の参加者を知ることができない。停滞期にはいると、コミュニティが死んでしまう。誰も聞いていないと思うから。したがって、時には挑発的な発言や質問で「鍋をかき回す」必要がある。
多くのコミュニティが、メンバーの写真と個人データをWebサイトに置いている。視覚的イメージがあれば、誰が誰なのか覚えやすい。
「金槌しか持っていない人の目には、世界全体が釘のように映る」。共有された実践は、資源であると同時に負債でもある。それは効率的であるが、外部に対する障壁を作ることにもなる。
コミュニティに役立つオンライン機能
- コミュニティの存在、領域、活動を説明するホームページ
- オンライン・ディスカッションのための話し合いの場
- 研究報告書、ベスト・プラクティス、企画などの文書を集めたレポジトリー
- 調べものをするための検索エンジン
- メンバーが領域内で何を専門としているかの情報を載せた会員名簿
- リアルタイムの共有空間、遠隔会議
- コミュニティ管理ツール:誰が積極的に参加しているか、どの文書がダウンロードされているかなどを調べるツール
コーディネーター・コミュニティ:「コミュニティ開発」という領域を持つ、実践コミュニティ