KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

R. J. Sternberg(三宅真季子・原田悦子訳)『愛とは物語である』

愛とは物語である―愛を理解するための26の物語

愛とは物語である―愛を理解するための26の物語

共通の物語を持つことにより、世界観や自分たちの関係に関する考えや出来事の解釈が共有されるとき、2人の関係はうまくいく可能性が高い。そして、そうしたことすべてが適切なコミュニケーションの基礎となる。

物語は相手の行動に対する知覚をコントロールする。そして、相手の行動は物語を強めるものとして受け止められる。

分析が関係を損なうというのは、男女関係における一種のハイゼンベルクの不確定制原理を示していると言えよう。つまり、関係を観察するという行動自体がその関係を変化させるのである。

私たちはいつでも合理的である必要はない。男女関係というのはその根本のところで合理的なものではない。それは物語なのである。この事実を受け入れることにより、どちらが正しくてどちらが間違っているのかという考え方を離れて、正しくも間違ってもいないがまさに現実である物語を理解し、それを変化させる方向に歩み出すことができる。

愛の物語のプロトタイプについて、あまりあてはまらないのではないかと思わせる。それはその物語に「子ども」が含まれていないからなのではないだろうか。子どもを媒介項にした物語が日本人の場合かなり使われているような気がする。それは恋愛至上主義のアメリカとはかなり事情が違う。