すごい強風で、飛行機が着陸寸前に左右に揺れるものだから、なんだかどきどきしたよ。それでも最後はぴたっと衝撃もなく着陸したけどね。
さて、昨日書いた「美しい実験」って何だろうね?
それは、結果が線形になる実験のことだ。簡単に言えば、要因に加算性があるということ。具体的にいえば、「Web上の文章のレイアウトの読みやすさにはいろいろな要因があるけれども、それは段落間の空白行があり、見出しの視認性が高かったりすると、どんどん良くなる(つまり効果が加算的)」ということだ。
結果が線形になる実験では、グラフが美しく単純になる。そして、結果の解釈も単純で美しいのだ。
欠点は、美しすぎて面白くないということだ。贅沢だな。
じゃあ、「面白い実験」って何だろう?
それは、交互作用のある実験だ。交互作用がある場合は、加算性がない。たとえば、イラストを多用した教材を開発したとして、それをもともと成績の良い学習者に使わせた場合と、成績の悪い学習者に使わせた場合を考えると、成績の良い学習者にはかえって効果が落ち、成績の悪い学習者には効果が高かったりする。解釈としては、「やはり学習者の特性を見て教材を選ばなくちゃね」ということになって、そう単純ではないところが面白いといえる。
欠点は、「学習者と適切な教材を選べばOKか」というとそうではないことだ。
もちろんそれは学習が起こるための必要条件なんだけど、十分条件じゃない。
インストラクショナル・デザインは、学習が起こるための必要条件を探求する学問領域だ。でもそれは十分条件じゃない。デザインされた学習環境があっても、学習が起こらない場合もある。それは何なのか? それが一歩踏み出すためのヒントかもしれない。