- 作者: 中野民夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/01/19
- メディア: 新書
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ジョアンナ・メイシーは、自分で企画できるワークショップなら、十日間くらいかける。皆が集う初日とお別れの最終日を除き、さらに中ほどに休日を設け、残る七日に一日ひとつのテーマを設ける。毎日午前中に集中してワークをしたり講義を行う。午後は、各自がそれぞれの中でふりかえったり自分で日記やノートを書いて深めるための沈黙の時間。そして夕方に五〜六人程度の小グループで分かちあったり疑問について話しあう場を二時間ほど持つ。夜にはもう一度全体で集まり、ゲストが入ったり、映像や音楽やパフォーマンスなどアートを通して学ぶ楽しくて和気あいあいの時間にする。そして日本のように深夜まで飲み明かすことはせずに早く寝る。(中野民夫『ワークショップ』p.144-5)
ここには、ワークショップのプログラムデザインのエッセンスが凝縮されているようだ。
- ワークと講話(午前)
- 内省と沈黙(昼下がり)
- 小グループでの話し合い(夕方)
- 全体で和気あいあいの時間(夜)
単にワークをして、それをシェアをして、それを繰り返せばいいというものではない。方向付けをつかむこと、一人で考えること、グループで話しあうこと(正確には、自分を表現することと他人に耳を傾けること)、楽しい時間を共有すること(「自分は一人ではない」ことを確信すること)こうした活動が、コントラストをなし、相乗作用を生んでこそ、すばらしいワークショップはできるのだ。