KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

行動ファイナンス

きのうは文学部の豊田秀樹先生をお呼びして、私の授業の枠で特別講義をしていただいた。行動ファイナンス(behavioral finance)という学問領域の話。ぐぐってみると、投資家の心理と行動を分析するというようなことが書かれているが、一般消費者にとっても、重要な分野だ。

たとえば次のような例:

  • 土日の銀行ATMの手数料が100円前後するけれども、それは、低金利下で100万円預けて1年分の利息に相当する
  • 銀行ローンの借金を払い続けると同時に、定期預金を積み立てるのは不合理な行動(定期預金の分をローン返済に充てた方が損が少ない)

このような人間の錯覚というか、不合理な判断がどうなっているのかを明らかにする学問だ。実験実習とともに、そのしくみについて説明していただいた。

話を聞きながら、これは教育にも適用可能だなあと思う。たとえば、テストのパターンによって学習方略が変化するという研究が教育心理学で出されているけれども、これも、どの方略が効率がよいかという判断をして、とれる学習行動から意志決定をしているわけだ。その判断が不合理であれば、適切な学習行動は取れないわけで、そこらへんの仕組みを明らかにするのは重要な研究テーマになるだろう。