KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

心理療法の効果研究

さいころじすと日記さんより、興味深い論文の紹介があったので、引用。

Lambert, M. J. 1992 Psychotherapy Outcome Research:Implications for Integrative and Electic Therapists. Handbook of Psychotherapy Integration.

では、過去40年にわたる心理療法の効果研究(要因統制研究、メタ分析)を分析した結果を踏まえ、心理療法の効果において「何が効いているのか」について以下の結論を示しています。

  • 1:治療外の要因(Extratherapeutic Change)----40%
    • 偶然の出来事、クライエントが元々持っている強さ・リソース・能力。
  • 2:共通の要因:治療関係の要因(Common Factors)----30%
    • 受容・共感、思いやり、はげまし、クライエントの治療への関与の質、セラピスト・カウンセラーとクライエントとの関係性、治療法についての同意など
  • 3:希望・期待(Expectancy、Placebo effects)----15%
  • 4:モデルと技法(Techniques)----15%
    • 特定のモデル・技法・テクニックが持つ効果

http://d.hatena.ne.jp/psychologist/20050131

なんで興味深いと思ったかというと、教育もこんな割合で起こっているのではないかと直観したから。学習者がもともと持っている学習能力や、教授者・学習者の関係性、期待やプラセボでほとんどの効果が説明されてしまい、残りの15%がモデルと技法の効果です。と言ってみたい、と。

心理療法でどのくらいの割合が自然治癒だったかという研究を、アドラー心理学基礎講座で習ったような記憶がある。あとでノートを見てみよう。