es

es［エス］ [DVD]

録画してあった映画「es」を見た。1971年、スタンフォード大学でジンバルドが行った監獄シミュレーション実験をモチーフにして映画化したものだ。心理学の授業があれば、見せたいと思う。

ジンバルド自身が開いている監獄実験のサイト（http://www.prisonexp.org/）のスライドと比較してみると状況設定はかなり忠実に再現しているようだ。囚人の服や、罰としての腕立て伏せ、便器掃除など（罰としての暴力を行使してはいけない設定になっている）。なお、ジンバルドのサイトでは、この実験をスライドやムービーで紹介するのと並行して、イラク人捕虜への虐待とこの実験を対比させている。この実験の現代的な意味を問おうとしているのだろう。

社会構成主義の本を読んでいる今は、この映画にこんな解釈を与えたくなる。囚人と看守という役割が仮のものとして与えられても、その役割を演じ、行為として表出することで、相手との関係が構成される。その関係は即座にリアリティとしてお互いに知覚され、強められていく。