KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

金子忠史『新版変革期のアメリカ教育[大学編]』

アメリカの高等教育のシステムの変遷について事典的に使える本。参考になる。11章は「生涯学習をめざす非伝統的高等教育---経験学習と個人契約学習」で大学でのポートフォリオ評価と単位認定について書かれている。

成人のすべての経験が、直ちに学術的な学習として評価されるのではなく、経験が学術的なものとして認定されるとき初めて単位(credit)として授与される。そこでCAELは、経験が学術的な学習として評価される10の基準を設け、経験が理論と実際的な応用との適切な均衡を保つことを求めた。

学生は、ポートフォリオの申告の前にカレッジが、州内のさまざまな場所で開催するポートフォリオ・ワークショップに参加する。この申告には、五つの段階があるとされる。
第一段階:経験上獲得した知識・技能の目録の作成。
第二段階:経験上獲得した知識・技能のカレッジ・レベルのコースへの対応とその科目の単位修得の必要の有無についての学生自身の決定。
第三段階:カレッジのカタログから選択した科目を探し、そのコースに関する記述の検討。
第四段階:知識・技能の各種の証拠…雇用者の確認の書状、訓練コースの記録、学校・カレッジの内申書、注釈つきの目録、口頭または筆答の試験成績の提出。
第五段階:3〜10ページにわたる学習の方法・内容の概略に関する学生自身の説明文の提出が求められる。