KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

S. A. ジャクソン、M. チクセントミハイ『スポーツを楽しむ』

スポーツを楽しむ―フロー理論からのアプローチ

スポーツを楽しむ―フロー理論からのアプローチ

原典は1999年の出版。ジャクソンがさまざまなスポーツ選手へのインタビューをして、それをチクセントミハイのフロー理論に当てはめて、フローが起こる条件について精緻化を試みている。

フローはその「経験の質」を問題にしていることから、スポーツに限らずさまざまな人間の活動を測るための汎用性のある枠組みだと考えている。私の場合は、教育・学習の場面でのフローを当然考えている。フローが起こるか、起こらないかということが、質の高い学習体験かそうでないかということを区別する手がかりになるだろう。そして、フローを起こすための9つの条件、その中でも、CS(挑戦・技能)バランス、明確な目標、明瞭なフィードバック、コントロール感、オートテリック(行為それ自体が目的)な体験といった条件は、最適な学習体験をもたらす条件にもなっているはずだ。

ジャクソンはフロー尺度を開発している研究者でもある。