KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

教育工学会研究会@北海道教育大学

5月21日に北海道教育大学(札幌)で開かれた教育工学会の研究会に参加、発表してきました。研究会は年に5回、日本のいろいろなところで開かれます(http://www.japet.or.jp/jet/study-group/index.html)。原稿の分量は4〜8ページと融通性があるので、自分の研究をまとめておくのにいい機会です。

今回は「講義型授業の補完としてのグループブログの利用に関する予備的調査」というタイトルで、授業のフォローとしてブログをつけてもらう学生を任意で募り、その様子をまとめてみたものです。

概略まとめてみますと:

100人程度の授業で、ブログをつけてくれたのは1割くらいの参加者でした。大半は授業があったその日のうちに、ブログを500字前後の分量で書きました。コメントは参加者同士で自由につけられるようになっていましたが、実際につけたのは、教員かあるいはTAのものがほとんどでした。このことから、授業ブログは「コテージ」のようなもので、コメントをつけにいくのはその人が住んでいるコテージをノックするようなもので、あまり活発になりにくいことがわかりました。

原稿とスライドのPDFは下記のところからダウンロードできます。また、試みとして発表を録音したもの(WMAファイル)がありますので、お聞きになりたい方は私宛メールを送ってください。折り返し音声ファイルを送ります。3.1メガあります。

質問として出たのは:

「参加者の属性として何か変わったものがあるのか」については、細かく調べていませんが、少なくともインタビュー時の印象では普通の学生という感じでした。また、すでにブログを書いている人もいましたが、これが初めての経験という人もいました。その意味では特定の属性の人が参加したということではなさそうです。

「全員がブログを書くようになるとどうか」については、あまり実現性はないと思われます。それは、100人以上の受講生全員がブログを書く可能性という意味と、万一全員が書いたとして、それをどう教員がフォローすればいいのかという意味の両方です。この点が次の研究へのステップになると思われます。つまり、大規模授業でブログを使うならば、それを、大福帳などと並列した選択肢として使うということ。もし、多くの人がブログを書くという状況になった場合は、10人以下のグループを編成して、その中でお互いにコメントをつけあうというような設定が必要かもしれないというようなことです。