コーチング・バイブル―人がよりよく生きるための新しいコミュニケーション手法 (Best solution)
- 作者: ローラウィットワース,フィルサンダール,ヘンリーキムジーハウス,Laura Whitworth,Phil Sandahl,Henry Kimsey‐House,CTIジャパン
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
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もしあなたの話すことを評価したり、批判したりすることなく聞き入れ、感情を含めてありのままのあなたをすべて受け入れてくれる人がいたとしたら、あなたの人生はどう変わるでしょうか? そのような人と毎週話すことができ、うまくいったときもいかなかったときも変わらずに話せると想像してみてください。コーチングは、あなたが定期的・継続的に自分と向き合い、これまでに得たことを整理して、次の一歩を決めるための場を提供します。
この本を読んで、職業としてのコーチの像をはっきりとつかむことができました。それはアメリカでのプロのコーチのことなのですが、これはほどなくして日本にも入ってくるのは確実でしょう。この本で述べられている職業としてのコーチとは私の言葉で言えば、「普通の人のためのカウンセリング」です。「普通の人」というのは、日々忙しく仕事をこなし、有意義な人生を送ってはいるんだけど、時々は孤独感に襲われたり、不安な気持ちをいだいたり、自己嫌悪をしている、それでも気晴らしをしたり、自分を励ましたりして毎日を送っている人のことです。つまり、私を含めてどこにでもいる人です。
カウンセリングや心理療法は、これはもう自分ではどうしようもなく、助けが必要である状態か、その一歩手前の人たちを対象としますが、コーチングは、今は自分で何とかできる、でも少し話を聞いてくれる人がいたら、もっと良い人生になるだろうという人たちをターゲットにします。
具体的には次のようなトレーニングを受けた人がコーチです。
- 傾聴
- レベル1 内的傾聴=クライアントの言葉がコーチにとってどんな意味かに気を取られている
- レベル2 集中的傾聴=コーチの意識がクライアントに向いている
- レベル3 全方位的傾聴=クライアントの感情、ボディランゲージなどあらゆるものに向いている
- 直感 勘とかひらめき=クライアントとともに未知の領域に踏みいる
- 好奇心 クライアントは答えを持っている。それを引き出すための質問=好奇心。
- 行動と学習 行動を重視し、学習を深める。ただし、結果を確認しても評価はしない。それはクライアントのもの。
- 自己管理 コーチ自身のエゴやプライドがクライアントの邪魔をしないようにする。
このように見てくると、コーチに要求される資質がカウンセラーのそれと酷似していることがわかります。業務的な面でも、守秘義務、契約関係、導入セッションなど似ている部分が多いです。
コーチングの形態としては、週一回30分程度の電話が多いようです。クライアントがどこにいてもコーチングを受けられる形態です。もちろん面談をするコーチもいますし、電話会議システムを使った、グループ・コーチングも行われているようです。
巻末には、コーチングのためのフォーマットも掲載されており、実に示唆に富む本でした。