- 作者: 陰山英男
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/03
- メディア: 単行本
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百ます計算を見て、これは公文と同じではないですかという質問をよく聞きます。私はその通りですと答えます。
そもそもこうした学校の盲点は、授業構成が理解に重点をおきすぎ、習熟のための時間を軽視してきたからです。算数の研究授業といえば、いかにわからせるかということばかりが話題になり、いかに計算が早く正確になされているかを確かめたりするようなことはあまりなかったからだと思います。
問題解決型の授業ばかりではなく、計算練習や繰り返しによる暗記練習など、年間を通じてそれがバランスよく指導されることが大切であると主張する。
認知心理学は学習者にどうやってわからせるか、そのための説明をどううまくするかというところにフォーカスをあわせてきたわけだけれども、単純な活動に習熟すること、わからないままに手続きに従っているうちになんとなくわかってくることもある。また、習熟の結果として理解への動機づけが高まることもある。
そう考えると、認知主義から行動主義への揺り戻しのようにも見える。その一方で、学校全体で取り組むことの大切さも主張する。一筋縄ではいかないが、現場というものはまさにそうしたものなのだろう。