KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

岩田健太郎『1秒もムダに生きない』:制御系の自分と実行系の自分を統合すること

1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方 (光文社新書 525)

1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方 (光文社新書 525)

岩田健太郎『1秒もムダに生きない』を読みました。時間管理術やToDo管理術の本はたくさん出ています。そのノウハウは精緻化される一方です。しかし、この本では、「今一番やりたいことをしよう」というかなりはちゃめちゃな提案をしています。

その根拠は、人には「ノリ」のようなものがあるので、そのときに一番フィットした作業をするのがよいということです。

原稿を書きたいときにはひたすら書き続ける。単純事務作業をやりたいときには、それをして頭を解放する。本や論文を読むときには、それに集中する。そのためには、どこにいてもすぐに何かの仕事をできるような準備をしておく。

これはいいかもしれない。ToDoリストの唯一の欠点は、

  • ToDoリストの項目を書いた途端に、それをやりたくなくなる

ということだから。

つまり、「この時間にこれをやろう」と決めると(制御系)、「やりたくないなあ」と思う(実行系)のですよ。制御系の自分と実行系の自分が分離しちゃっている。

では、制御系の自分と実行系の自分を統合するにはどうしたらいいかというと、「これをやろう」と決めたら、即実行することです。つまり意志決定と実行にタイムラグを作らない。すぐに始めるってこと。

書こうと思ったらすぐ書き始める。読もうと思ったらすぐ読み始める。そのために、いつでも仕事の選択肢を持っていること。そして、それを目の前に広げられる準備をしておくこと。準備をしておくだけです。そのときに「この日時にやろう」とは決めない。やろうと思ったらすぐに始めるのだから。