2022年9月29日(木)
ロジックとエビデンスの世界と感情とエピソードの世界とは別の世界の見方です。
感情とエピソードの世界とは、日々私たちが暮らすリアルな体験に基づいています。一方、ロジックとエビデンスの世界は、自分の体験と人々の言説に基づいて世界の成り立ちとその中でいかに生きるべきかを考える場所です。
臨床家の仕事とは、一般的なロジックとエビデンスの世界から出発して、相手の感情とエピソードの世界を探索し、最後に相手のロジックとエビデンスの世界の見方を少し変える仕事です。
一方、研究者の仕事もまた、一般的なロジックとエビデンスの世界から出発して、リアルな感情とエピソードの世界を探索し、最後に共有されているロジックとエビデンスの世界の見方を少し変える仕事です。
その意味で、臨床家と研究者の行為は同型のことをしているといえます。ただそのスケールが個人なのか社会なのかということが違うだけです。