KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

【アドラーゼミ】対話的にゆっくりと進める:研究を楽しむ

2023年4月10日(月)

アドラーゼミをやってみて感じたこと。こんなふうに対話的にゆっくりと進めていくのもいいかも、と。それは、通学生とeスクールの卒論ゼミのやり方と対比させて感じた。

この20年間は卒論ゼミをコース化することで進めてきた。その成果として、今はゼミの2年間に何を課題としてやるかということが、毎週ごとに詳細化されているほどになった。その通りにこなしていけば、100ページ弱の卒論が完成する。

しかもその内容は、インタビューをデータとした質的分析、アンケートをデータとした量的分析、アンケートの自由記述をデータとしたテキストマイニング分析と、現代に確立された研究方法の大部分をカバーするものになる。すばらしい。

しかし、その一方で、ゼミがあまりにもカリキュラムの進行に縛られすぎてきたという弊害は否めない。この弊害はけっこう深くて、毎週やることが決まっていると、そのことに注意が奪われて、心から自分の研究を楽しめなくなってしまうというリスクがある。じっくりと自分のデータと向き合う時間がなくなって、すぐに分析ということになるからだ。

そんなわけで、今度スタートする通学生、eスクールの3年生は私の最後のゼミ生になるので、これまでのやり方を変えてみるのもいいかもと思っている。これまでにゼミの土台は確立されているので、その上で進行を自由にしたいということでやってみたい。

研究を楽しむということが生涯学習につながると考えている。それは最高の娯楽であり、学問の原点に帰るものだと思う。