KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

【本】佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』

2023年7月5日(水)

佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』(ワニブックス, 2015)を読んだ。ミニマリズムの本だ。なかなかよかった。ミニマリズムの本は、具体的・実践的側面と、思想的・人生論的側面があるけれども、この本は両側面がバランスよく配合されていた。

私は単行本を買ってしまったのだが、ちくま文庫(2019)増補版の方が安い。

https://www.amazon.co.jp/dp/4480435743?tag=chiharunosite-22

いくつか切り抜き。

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モノを手に入れるため、手に入れたモノを維持・管理するために、ぼくたちは時間もエネルギーも使い果たしている。

そこまでしてモノを持ちたい「目的」とは何なのか? それは「自分の価値を伝える」目的だ。

捨てるのが難しいのは、モノそのものの価値ではなく、モノにまつわる思い出だ。

たとえ、思い出がつまっている写真や記録などを捨てたとしても、自分の中の記憶としての過去は残っています。

たくさんのモノへの雑な意識ではなく、少ないモノへ愛情をもって大切に意識する。

ついつい欲しくなるお土産も、スナフキンを見習って「見るだけ」にする。するとより旅自体に集中できるようになった。

ミニマリストとは「大事なもののために減らす人」のこと。減らすことは目的ではなく、減らして優先する「大事なもの」こそ目的だ。ミニマリズムは手段である。

モノを捨ててぼくが思うのは、何かを成し遂げたり、何者かになる必要はないということだ。いつもの家事を、毎日の生活をまっとうするだけで、自分が好きになれ、充実な喜びを感じられる。

「友達や大事な仲間は魔法の数字、つまり”3人”でいい」。深く理解し合い、付き合える友達が3人いれば、確かにそれぞれ週末に一度ずつあっても十分充実した一カ月が送れるだろう。

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ミニマリズムの本をもう一冊読んだ。ミニマリストしぶ『手ぶらで生きる』(サンクチュアリ出版, 2018)。この本は実践的側面が強く、ミニマリストの手法を50に分けて紹介している。

https://www.amazon.co.jp/dp/4801400515?tag=chiharunosite-22

なくすべき雑念は次の5つのカテゴリー。

(1) お金:維持費が高い物、必要のないブランド品など「お金の不安を感じるもの」
(2) 時間:コーディネートを悩ませる必要以上の服など「時間泥棒になる物」
(3) 空間:必要以上に広い家、余分なストックなど「スペースを奪う物」
(4) 管理:財布や身分証など紛失すると困る「管理能力が強要される物」
(5) 執着:いらないプレゼント、過去の栄光など「未来への足かせとなる物」