KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

【本】ラスムッセン『心地よさを求めて: アドラー心理学からみる感情論』(1)

2023年9月4日(月)

ラスムッセン(今井康博訳)『心地よさを求めて: アドラー心理学からみる感情論』(川島書店, 2022)の1-3章のまとめ。

https://www.amazon.co.jp/dp/4761009454?tag=chiharunosite-22

第1章 プロローグ

認知は感情に奉仕する。

第2章 Z因子

Z因子モデルを提示する。

X: 出来事(event)
  ↓ T: 認知的評価(cognitive appraisal)
Y: うながしの感情(compelling emotion)
  ↓ A: 行動作用(behavioral action)
Z: うらづけの状態(validating state)

最終的なZにおいて「心地よくありたい」というのが人の基本的欲求である。もし出来事Xが望ましい状態(+)であれば、Zはそのまま「心地よい」状態になる。しかし、もし出来事Xが望ましくない状態(-)であれば、Yで状態を変えるための何かを促す感情が生起する。この感情がAの行動作用を引き起こす。

第3章 進化への行動原理

Millon(1990)『新たなパーソノロジーに向けて』:人間を含む生命体は進化に不可欠な次の3つの行動原理によって方向づけられる。日々の生活で新しい課題に取り組んでいく経験をする中で、自分に変化が生まれないということはありえない。

(1) 生存:生き残るという課題。私たちは個人的な増強、自由、脅威からの安全を求めて人生を送っている。
(2) 適応:人は適応に関して、より能動的・創造的か(野生動物的)、より受動的・依存的か(植物的)の特性的スタイルを備えている。
(3) 繁殖:自己を重視する(男性的)か、集団あるいは他者を重視する(女性的)か。トゥービーとコスミデス:感情は新たな状況を前にして迫られる具体的な適応上の必要性に対し、複数の機能が働くように発達してきた神経系の演算構造である。

★めちゃ面白い。包括的であり統合的。すごいな。