KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

連詩とWeb日記

 きのう晩のNHK教育の番組「未来潮流」は面白かった。複数の人が少しずつ詩を作り上げていく「連詩」というものを取り上げていた。日本人が3人と、イギリス人とアメリカ人が一人ずつの合計5人が、順番に、前の詩に影響を受けつつ自分の詩をつなげていくという作業をする。最終的にできあがった詩は誰が作ったともいえないスケールの大きなものになっていた。

 番組の中で、一人の詩人が語っていた言葉が印象的だった。

 ---連詩は自分の発想に閉じこもったり、オリジナリティにこだわったりすると絶対ダメ。これまで詩人達は自分一人のオリジナリティをいかに完成させるかということに長い年月をかけてきた。しかし、連詩はこうした「オリジナリティ信仰」を蹴っとばす。実はオリジナリティなんてものは大したことないんだ、と。

 この番組を見ながら、Web日記のことを考えていた。毎日たくさんの人のWeb日記を読んでいるんだけれども、連詩のようなことって、あるよなあ。つまり他人の日記からインスピレーションを得て、自分の日記にそれが活かされていること。これってそのまま連詩の世界だ。他の人の日記の続きを直接書くわけじゃなくって、それから霊感だけを得て、それを自分の視点でずらして展開する。そしてまた、それを読んだ別の人がそれを違う方向に展開する。調整役のいない連詩の世界。