KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

TBSから言語表現授業の取材が来た

 TBSの真下(ましも)さんから取材の申し込みがあった。どうやら「大学教育(の危機)」というテーマで取材している様子。富山大学でやっている新入生向けの日本語教育である「言語表現」の授業を取材したいという。

 この前の日本経済新聞といい、今回のテレビの取材といい、「大学生の表現力の低下とその対策」というようなテーマははやりのトピックになっているようだ。アメリカでは新入生教育としての作文教育(フレッシュマン・コンポジション)はたいていの大学で行われていると聞く。だから日本の大学でも同様の授業をしてもまったくおかしくないと思うのだが、「いまさら大学生に作文教育?」という驚きがあるらしい。

 だいたい日本人なのだから日本語が読み、書き、話すことができるのは当たり前だとたいていの人は思っている。きちんと訓練しなければ、通じる日本語は話せないし、書くこともできないのだという認識がない。このようにして、でたらめの日本語がはんらんする。「でたらめの」というのは漢字が間違っているとか、敬語が使えないとか、そういうことではなくて、簡潔で明瞭な日本語が使えないということをいっている。そういえば、学生の話を聞くのに、「誰が?」とか、「それで?」とか聞き返すことが多い。それは学生の話に、主語がなかったり、結論がなかったりするからだ。けっして私がもうろくしているわけではない。

 今年から始めた「日記を書く」授業にカメラがはいる。「日記を100日間書くだけで単位がもらえるなんて、オイシイ授業じゃないですか?」と真下さんはいっていた。もちろん私はただのオイシイ授業にするつもりはない。しかし、今年の授業にはいろいろ反省点があるのは確かだ。

 何人かの学生さんがインタビューに答えていた。はたしてそれはどのように編集されて、何が伝えられるのだろうか。放送時間はまだ分からないが、来週の「ニュースの森」の夕方6時から6時半までのどこかでながされるらしい。