KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

娘がセンター試験を受ける頃

 センター試験1日目。試験監督はあまり楽しい仕事ではない。自分の子供が試験を受ける場合は、監督の仕事が免除される。というより、入試業務に関わることはできないことになっている。私の娘がセンター試験を受ける頃は……16年後か。まだ先のことだな。それまでは毎年この仕事がやってくるわけだ。

 それより、16年後にまだセンター試験が続いているのだろうか。そもそも入学試験制度そのものが残っているのか。

 16年後の入学試験は、おそらく完全にコンピュータ化されたテストになっているだろう。今のような紙と鉛筆を使った一斉テストではなく、いつでも自分の都合のいいときに決められた場所に出向いていけば、受験が可能になっているはず。試験問題はデータベース管理され、毎回ランダムなものが選ばれるので、ヤマはかけられない。適応型テストなので、短い時間で実力が測られる。

 適応型テストというのは、受験者の推定された実力に応じて、易しい(あるいは難しい)問題が自動的に選ばれて出題されるものだ。今の一斉テストは、たとえていえば、走り高跳びでいきなり「1メートル50を跳んでみろ」というようなものだ。それが跳べるか跳べないかという情報ですべてがきまる。もちろん実際の試験では難易度の違う問題をちりばめることによってこの欠点を補うわけだが、試験時間が決まっているのでそれには限界がある。適応型テストならば、1メートル50が跳べないときは、1メートル30に下げてくれる。逆に跳べるときは、1メートル70にあげてくれる。これを個別にやるので短い時間で正確な実力(到達度)を測定することができるわけだ。

 今日のセンター試験で、最後の科目が終わったあと、倒れた学生がいた。気分が悪かったのを、最後までがまんしたからだろう。もうふらふらになっていて、大人3人がかついで、ソファに寝かせた。まもなく構内にいる看護婦さんに来てもらったが、本人が大丈夫ということで自力で帰宅した。

 一年に一度きりの一斉テストでは、どうしても無理をする受験生が出てくる。体調が悪くても無理してやるということになる。問題の出題範囲によって、実力以外の運が左右することもある。言えることは、現在の試験形態は改善の余地があるということだ。10年以内には、センター試験はまったく違った形態に変わっているだろう。