平和な月曜日。月曜日には授業を入れていないからだ。授業の準備をして過ごす。
言語表現では、受講生が書いた作文を掲示板に載せてもらっている。私はそれを読んで、添削指導をする。具体的には、コメントを赤い字で書いて(<font color=red>を使って)、文章の適当なところに挿入していく。コメントはコメントキーワード書類からドラッグしてくる。たとえば【ひらがなで書く】とか【くだけすぎ】とか【ら抜き表現】など。ら抜き表現は、必ずしも間違いとは言えなくなっているけれども、一応指摘はしておく。
コメントをつけられて一番きついのは【だから何?】コメントだろう。このコメントをつけられたら、作者はかなり鬱だろう。しかし、同時に、添削者が思わずつけたくなってしまうコメントの筆頭はこの【だから何?】コメントであったりする。文章としては読めるのだけれども、読んでいてだんだんいらいらしてくるのは、「だから何?」が書いてない文章である。そういう文章は少なくない。「うん、それでいったい何が言いたいのか?」と言いたくなってくる。作者がそこにいれば、そう尋ねているはずだ。そういえば、私は誰かと話しているときも、よく「だから何?」と聞いているような気がする。
文章を書くことの目的のひとつは「だからこうなんだ」ということを伝えるためだろう。もしそれがなかったら、ただ文字を連ねているだけになる。文章を書いたとはいえないのではないか。
【だから何?】コメントは私のオリジナルではなく、アメリカの作文教育を受けてきた人から教えていただいた。アメリカの大学の添削では
「だから何?」
だからね、「だから何?」と言われないような文章を、書くのなら書こうよということだよ。ただし、この文章は日記なので、自分でも「だから何?」というつっこみを入れたいときがよくあるんだけどね。