KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

毎回返事を書いてくれてうれしいです

教養科目の「こころの科学(心理学の入門)」では大福帳を取り入れている。大福帳というのは、毎回の授業の終わりに学生に一言書いてもらうコミュニケーション・カードだ。教員はそれを読んで一言コメントをつけて、翌週学生に戻す。

今日は、中間テストだった(この中間テストはシラバスから予告済み)。テストを始める前に大福帳システムについての簡単なアンケートをおこなった。テストをやっている間に、そのアンケートの自由記述欄を読んでいた。そうすると、大福帳についての評価がえらくいいのである。

大福帳は良くないという評価はほとんど皆無で、良かった、続けて欲しいという感想がほとんどだった。それどころか、「毎回返事を書いてくれてうれしいです」とか「全員に返事を書くのはたいへんでしょうけどがんばってください」というような、思わずホロリとくるような感想まである。

もちろん「返事がそっけない」や「もう少し返事を長く書いて欲しい」というような要望もある。この授業は、100人近い学生が履修していて、大福帳に返事を書くのは、毎回1時間以上かかる。それも、長い文章は書けないので、「うん」とか「そうです」とか「がんばって」とか「大丈夫」のような一言がほとんどだ。質問に対しては回答を書くようにしているけれども、大福帳では質問が少ないのが逆に救いだ。全員が質問を書いてきたら、おそらく何時間もかかってしまうだろう。

大福帳の発案者である、三重大学の織田先生の論文を読んでいて、大福帳の評価が高いことは知っていたけれども、実際に自分でやってみるとまさにその通りであった。「大福帳に書くことが授業内容の復習になっている」とか「大福帳のおかげで授業に積極的に出るようになった」などの感想を読んでいると、授業の実質的な部分にも効果があることをうかがわせる。

質問書システムと比較してみるとおもしろいかもしれない。