KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

心理学概論のデザイン

1月末でだいたいの授業は終わる。逆算すると、休講や祝日のために予定した内容が終わらない場合も出てくる。きょうやった「こころの科学(心理学概論)」もそうで、13回分のうち3回分ができなくなってしまった。13回というのは、15回でワンセットなのだが、そのうち2回は中間テストと最終テストにあてているという計算。

本来ならば補講をするべきなのかもしれないが、入試業務などがあるので、勘弁してもらうことにする。もっとも一番重要な部分はすでにやってあるので、できなくなったことによる損失は最小限になるはずだ。経験的にいうと、中間テストの直前と直後が、学生の集中力が一番高まる時期であるように思うので、そこに一番力点を置きたい内容を持ってきている。

そこに何を持ってきているかというと、エリスの論理療法をトピックとした臨床心理学の話と、行動分析学だ。ということは、臨床心理学と行動分析学が今の私にとって一番重要であると思っているということなんだろう。

社会心理学の話は、テレビの心理学番組でもしばしば取り上げられるように、直観的におもしろいので、初めの数回に持ってきて、心理学全体の「つかみ」にしている。知覚から認知心理学の話はちょっと「小難しい」ので、一番最後に持ってきている。ということは、今回のように時間が足りなくなると割愛されてしまう運命にある。自称認知心理学出身の私としては残念なところだが、仕方がない。心理学専攻ではない一般的な受講生のニーズを考えると、これがベストに近いのではないかと思っている。

そういえば、今回はアドラー心理学を講じるというところまではいかなかった。まだまだ勉強が足りない。性格の話をしたときに、アドラー心理学の考え方を簡単に紹介したくらいだ。でも、そのときの学生の反応は「もっと詳しく聞きたい」というものが多かった。将来的には、理論・臨床系としてアドラー心理学行動分析学を中心に教えるコースと、実験系として、認知心理学社会心理学を中心に教えるコースを作るといいのではないだろうか。そんなようなことを考えている。