KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

講談社Web現代『編集者の学校』

編集者の学校

編集者の学校

たくさんのカリスマ編集者、ジャーナリスト、ライターのインタビューをまとめた本。取材、執筆、編集という仕事のプロセスが、研究者の仕事のプロセスと似ているところがあって、得るところが多かった。

この仕事をやってきて、わかったことがあるんです。それは短い記事を書くときも、長い本を書くときも、結局、明らかにすることはひとつだ、ということ。テーマといってもいい。その一点に向けて、進んでいく。そのとき、こまごまとしたデータが必要になることもありますが、それはそのとき考えればいいのであって、取材の最初からまるでドブさらいをするみたいに、なんでもかんでも集めるという姿勢で臨むと、どこにも行き着かないで終わってしまう。

初めに考えたコンテと、取材で得た情報のどちらが面白いか、ということを常に考えるべきです。取材の過程で面白いことが出てきたら、コンテなんて捨ててしまっていいんです。逆に、面白い話だけどコンテに合わないから捨ててしまうなんていうことは決してしてはいけません。はじめに考えた狙いと行き着いたゴールはいつも違います。だから取材は面白いんです。