KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

プロセス指向心理学

月一回の研究会で、二子先生(http://www.geocities.jp/processworkwf/)からミンデルのプロセス指向心理学の話を聞いたので、まとめておきましょう。

ミンデルは、MITで物理学を学んでいたのですが、チューリヒに行ったときにユングに出会い、ユング派のセラピストになりました。ですから、フロイトと反対に、基本的に無意識を信頼しています。そして無意識のみならず、夢やささいな身体症状がメッセージを発していると考えます。

そのワークの原理は、Natureとそのプロセスを大切にします。明示的な目標を設定せずに全人的な個性化を目指します。プロセスに2つあり、自我アイデンティティに近いものを一次プロセス、その反対側にあるものを二次プロセスと呼び、それを隔てているものをエッジと呼びます。

たとえば、自分が平和的であると考えていれば、それが一次プロセスで、その逆に攻撃的な同僚がいれば、それが二次プロセスです。攻撃的な同僚にいらいらしているとすればエッジが高くなっていると表現します(つまり「こちら」と「むこう」が敵対している)。そこで、攻撃的な同僚の仕草をイメージしたり、自分でロールプレイしたりして、フォーカスすることによってエッジを低くし、実はそういう攻撃性が自分にもあることを見いだしたりします(実際どうなるかはわかりません)。

目標を設定しないので、そのセラピーは即興的です。いつ終わるかもわかりません(一般的には長いようです)。面白いのは、セラピスト自身のプロセスを大切にすることです(セラピスト自身が自分を発見する?)。

もうひとつ重要なのは、メタスキルといって、技法をセラピストが使うときの感性や態度を重視するということです。スキルを使うためのスキルということですね。これは「統合的」ということにも通じる点でおもしろいと思いました。

ユング派の話はどうも「むこうがわ」の話のような気がして、好きではないのですが、何冊か本を読んでみようかと思っています。