KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

教育システム情報学会第30回大会(2日目)

2日目です。台風の影響か、曇り時々雨の天気です。午前中は、ペン・ステートの藤本さんのMMOGの話を聞きました。大規模オンラインゲームの話ですが、教育に示唆するところ大です。革新的なだけに、教育についてもう一度考え直さなくてはなりませんが、そのことが面白いのです。

大規模オンラインゲームと教育

MMOG(Massive Multiplayer Online Game)とは、場合によっては数万人以上のオンラインの参加者を集めて、仮想空間内で社会的活動を行うゲームです。「A Tale in the Desert」のように、非戦闘的なゲームもあります。ここでは参加者が協力し合って理想の文明を作り上げるというのがゴールになっています。その制約の下にいろいろな課題やイベントが与えられるのです。

教育的な面で重要な点はいくつかあります。まず、自分で計画して、自分でタスクを選んでいくという自律的で非単線型であること。それから、他者との協力が不可欠であること。それによってコミュニティが形成されていき、コミュニティ内でのメンターシップが形成されます。つまり、ゲーム内で、熟達者から新入りへのメンタリングが自然に行われるのです。また、プレイヤーの情報蓄積もされ、wikiやBBS、チャットなどで情報交換と蓄積がされていきます。また、創作活動なども見られるとのことです。

もっとも重要なことは、ここでは「教師がいない」ということです。熟達者はいますが、彼らは教師という役割を与えられているわけではなく、自らそれを買って出るのです。評価は教師によってではなく、参加者同士によってされます。データベースの構築やメンタリング、助言などといった活動によってコミュニティに貢献したという事実が評価されるわけです。

MMOL(Massive Multiplayer Online Learning)というものを夢想してしまいます。