- 作者: 坂野雄二
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 1995/09
- メディア: 単行本
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認知行動療法の全体像を知るために参考になります。特に理論的な枠組みとその変遷、さらに適用場面について知るために役に立ちます。治療的介入の具体例は多くありませんが、印象的なものが取り上げられています。
教育工学に関連するものとしては、Banduraの自己効力感や、Rotterの統制の所在、Weinerの原因帰属などがあります。あとは、Social Skills Training(社会的スキル訓練)の中でコミュニケーションスキルを扱うということでしょうか。
余談ですが、最近、授業の中で「eラーニング」について取り上げたのですが、学生は対面でのコミュニケーションが大切だ、ということを言う人が多かったのですね。ああ、そうなんだ。皆さんが大学に通ってきて授業に出ているのはコミュニケーションスキルを身につけるためなんですね。なるほど。
本に戻ってみると、いまの自分がコミュニケーション学派に浸かっているせいか、対人関係が弱いところが物足りないと感じます。認知の変容に介入するためには、その当人だけをターゲットにするには弱いのではないかな。というのは、当人の認知というのは、その人が接触する家族や友人や職場の同僚によって、日々強固にされているので、介入が入ったときには多少の修正が効いても、日常生活に戻ったときに元に戻されてしまうのではないかと思うのです。