アクション・ラーニング (Harvard business school press)
- 作者: デービッド・A.ガービン,David A. Garvin,沢崎冬日
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
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アクションラーニングとは、デューイの経験学習・体験学習をルーツに持ち、それを組織学習に活かそうという運動だ。ピーター・センゲの「学習する組織」(http://d.hatena.ne.jp/kogo/20060813/p1 http://d.hatena.ne.jp/kogo/20060814/p1)も、野中郁次郎の知識創造型企業も、行動に向けた枠組みを欠いているとして、それを提供しようとする。
ポイントは、学習を刺激するような、重要で複雑な問題を与え、チームでそれを解決していくという活動にある。チーム活動では、討論が中心となり、とりわけ質問を中心にして進めていくことが特色。討論では、コーチのリーダーシップが重要だ。
- 学習を刺激する問題とは
- 重要である
- 複雑である
- 複数の機能に絡んでいる(協力を要請する)
- 複雑な人間的問題を含んでいる(技術的かつ組織的)
- 行動指向である(分析でなく何かを実践する)
- 構造にまとまりがない(問題の把握・定義まですること)
- 予想外の内容を含んでいる(データも結果も予測可能ではない)
- 学習におけるリーダーシップ
- 学習に必要な活動を促すような環境、イベントを設計することによって、学習機会を生み出す
- 適切な雰囲気を培い、望ましい規範や振る舞いをはぐくみ、参加のルールを定める
- 討論の枠組みを作り、疑問を投げかけ、注意深く聴き、フィードバックと結論を呈示することで、議論のプロセスを主導していく
学習する組織は、強固な意志による細かな実践によって構築されるという。ベストプラクティスが企業内で伝播するには何年もかかることから、その活動の継続性が問われることになる。その成果を測るものとして、「成功の規準は、どれだけ「学び方を学んだか」である」というのには共感した。