ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法 (ファシリテーション・スキルズ)
- 作者: 堀公俊,加藤彰
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
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議論を集中させ、活性化させ、まとめるためのグラフィック技能を持ったファシリテーターのための本です。道具立てから書き方の基本スキル、そしてシーン別のケース解説まで、全体像がわかるように書かれています。マインドマップももちろん出てくるのですが、必ずしもそれがここで取り上げるグラフィックの中心パターンというわけではなく、マンダラ図のバリエーションとして捉えているところがおもしろいです。実際に描かれたグラフィック例がふんだんに盛り込まれているのでとてもわかりやすく、応用しやすい本です。
大学1年生の基礎演習では、Officeソフトではなく(教科「情報」世代の生徒は高校でやっていますし)、こうしたファシリテーション技能や議論の技能を鍛えるべきだと考えています。マインドマップの描き方はトレーニングするべきだと考えていましたが、それよりも、この本のように、ファシリテーションとグラフィックの両方を同時にトレーニングするほうがいいかなと思いました。
授業の中でグループワークをやっているのですが、その中でも記録係がどんなタスクをこなすかは、グループワークの成否を左右します。その意味で、みんながグラフィックの技能を身につけておくことは重要です。将来的にそうなれば、会議で実質的な成果を期待でき、報告と形式だけの会議は減っていくという副作用も見込めます。