KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

【ブログ】全人的な参加としての仕事:仕事の意味と態度の教育

2022年9月19日(月)

アドラー心理学による医療看護系の人材育成というテーマで講演しました。20人の参加者を得て2時間話しました。プロを育て、プロの組織を作るためにアドラー心理学を基礎にすえるのは可能性があるかなと感じました。

インストラクショナルデザインが使えるのは少なくとも学習者が自分で上達しようと決心していることが条件です。しかし現実には、言葉では「上達したいんです、役に立ちたいんです」といいながらも、行動的には抵抗しているケースがあります。

仕事中に注意散漫であったり、上達のための練習をしないといったことは、行動としての抵抗です。それは、従事している仕事そのものに価値を見出していないか、仕事に従事する自分自身に価値を持てていないということによります。

指導する人はそうした人に手を焼き、苦労しています。こうした人に対してどうしたらいいのかという質問が必ずといっていいほどでてきます。私はその質問には「穏便に辞めてもらってください。多分その人は居場所を間違えているのです」と答えています。ただそう宣言する前にやれることはいくつかあるとも思っています。

このようなケースではインストラクショナルデザインではなく、アドラー心理学の出番です。なぜならそれは仕事をどう捉えるか、ひいては人生をどう生きるかという問題に帰結するからです。

このように口では「がんばります」と言いながら、行動では抵抗している人に対しては、態度領域での介入が必要です。その人にとっての仕事の意味を明らかにする作業を、指導者と共同で進めることが必要なのです。