2022年10月8日(土)
博士課程のゼミ生が書いた論文の原稿を添削するという仕事が大学教員にはあります。これはけっこう大変な作業です。なぜ大変かというと、
- 「私ならこう書くのにな〜」という自分の気持ちを押し殺して、
- あくまでも著者が何を言いたいのかという気持ちに「寄り添って」読み、
- それを「平易で正確な日本語」にするにはどう直したらいいか
ということを考えながらしなければならないからです。
とはいえ、添削を経た投稿論文が学会誌に採録されれば、それはとてもうれしいことです。
退職後にこういう仕事をしてもいいかなという気になっています。多くはないかもしれませんけど、ニーズは確実にあるでしょうし、自分も役に立つことができますので。
ググってみると、小論文の添削をしますというようなビジネスはありますね。でも、投稿論文レベルの添削ビジネスは見当たらないです。それは、その専門領域がわかっていないと、添削しようにもできないからでしょう。
そうなると論文原稿からの添削というのは実は無理筋な話で、原稿になる前の研究をどう進めていけばいいのかというところから指導が入らないと無理なのですね。で、結局それは「ゼミ」という形式じゃないかということに帰結するのです。やはり、大学で長年続けられてきた「ゼミという形式」は意味のあることだったのです。