KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

【日心】チュートリアル・ワークショップ:複線径路等至性アプローチ(TEA)

2023年9月19日(火)

日心大会のチュートリアル・ワークショップ「複線径路等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach: TEA)」に参加したのでまとめておく。

全体は2時間で、前半はTEAについてのレクチャーで、後半はペアワークによってTEAを実際にやってみようという構成。これは、後半の実習のおかげで前半のレクチャーの内容がよくわかるという点ですごくよかった。

■ポイント

・TEAでは1人につき3回のインタビューを行う。1回目でTEM図を描き、2, 3回目では、TEM図を相手に見せながら内容を詳細化していく。
・インタビュイーの人数は、1人、4人、9人の法則。
・TEM図は時系列を横方向に取るパターンと、滝のように上下で縦方向に撮るパターンがあるので、どちらでも好きな形で描いてよい。
・TEM図は人生グラフ(ライフライン)から始めると描きやすい。
・時間時のスパンは研究テーマ次第で決めていい。ケンカの仲直りプロセスからDV支援まで。

■実習のプロセス

・実習では、近くにいる人とペアを組んで行った。
・お題は、等至点として「大学院進学を決めた」として、そこに至るまでのTEM図を書いてみようというもの。
・本来はインタビューをするところだが時間がかかるので、15分で各自が大学院進学を決めるまでの道のりを文章で書いた。(文章参照)

・その文章をペアで交換し、まず最初のTEM図を15分で書く。
・そのあと、TEM図を本人に提示しながら、詳細を聞いていく。必要ならTEM図を改善していく。(TEM図参照:本人に承諾を得ていないので、外部に公開しないでください)

■早期回想(ER)のTEAによる拡張(私のアイデア)

・ERだけを材料にすることに物足りなさを感じていた。「当たっている、いない」の占い的な使い方は意味がない。
・ERに人生のタイムラインとTEAを取り入れることで、時間軸(歴史)のダイナミクスを取り入れることができるかもしれない。
・選んだ道/選ばなかった道にどんな「力」と感情と価値観が働いていたかを分析することで「自己・理想・他者世界」、ひいてはライフスタイルの分析をさらに詳細にダイナミックに分析することができるだろう。