2023年10月14日(土)
午前中は、20分間の演題発表を6本。学会のやり方は指定討論者を置くこと。私は「アドラー心理学オンラインワークショップ」の発表の指定討論をした。
そのあと、自分自身の発表で演題は「課題の分離の出自と変遷」。指定討論は舛上くんにお願いしたのだけれど、発表だけで20分を使ってしまい、コメントのための十分な時間が残らなかったので申し訳なかった。
午後は、最近アドラーの翻訳本を出しているドイツ語翻訳者の長谷川早苗さんをお呼びしてのシンポジウム。私も以下のような質問をした。
・岸見さんの翻訳がすでに出版されていたけれども、それは自分の翻訳に何か影響があったか。
→岸見さんの翻訳は原文に忠実に訳すスタイルで、研究者にはそうした翻訳が役立つこともある。
・アドラーに特有の文体とかは感じたか。
→それほどでもない。しかし、アドラーの本にはアドラー以外の筆が入っていると感じることがある。それはアドラーの講演をもとにして弟子が文章化したからなのではないかと思う。
・アドラーの本は著作権が切れているので、印税はたくさん入ったか。
→その通りだけれども、出版社からは、だから印税率を低く押されられた。
・(要望だが)私がアドラーの本で一番良いと思っている Science of Living (Lebenskenntnis)は『生きるために大切なこと』(桜田直美訳)として出版されているけれども、ぜひドイツ語版から翻訳してほしい。
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夜は懇親会。楽しい2時間だった。色々な人と写真を撮った。さとこさんは76歳。全然変わっていない。モーリーは私の1歳上。若々しい。
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夜の2時間は臨床分科会に出た。ここでは20分の持ち時間でクライエント役を設けてのカウンセリング実習を3ケース見せてもらった。こういうのを見るのは面白いね。自分はカウンセリングはやらないのだけれど、アドラーのモデルでカウンセリングをするとはどういうことなのかがよくわかった。
アドレリアン・サイコセラピーの4ステップ
1. クライエントとの目標の一致
2. クライエントの過去と現在の状況からライフスタイルを探る
3. 解釈投与してクライエントの自己の理解を深める
4. 「新しい方向づけ Reorientation」を合意する