KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

【水俣2日目】水俣病資料館からつなぎ美術館

2023年10月27日(金)

スーパーホテルの朝食も東横インに負けず素晴らしい。そこそこの人数で混雑はしていない。ビジネス客は少ない。老夫婦、リタイア組の集団、一人旅の人が多い感じ。

朝食をとってから、エコパーク水俣を経由して水俣病資料館を目指して歩く。片道1時間。エコパーク水俣は広大な敷地に緑地、バラ園、スポーツ施設、道の駅が配置されている。実はここは有機水銀で汚染された水俣湾を埋め立てて作られている。これで汚染物を封じ込め、さらに湾の深い部分は浚渫して、清浄化したのが今の水俣湾ということになる。

水俣湾は静かだった。遠く向こうには天草が見える。水俣病犠牲者の慰霊碑があった。湾を眺めながら水俣病資料館を目指す。途中で雷が鳴り急に雨が降ってきたが、この日は全国的に雹が降ったりして不安定な天気だったようだ。


資料館は大きくはないが、きちんとしていた。近くの小学生が集団で見学に来ていた。説明映画を見て、水俣の歴史を学び直す。もともと豊かな漁場だったが、チッソ株式会社が誘致されてから大きく町が変わった。チッソは拡大し、町に利益と雇用を生み出した。チッソ従業員は「会社行き」さんと呼ばれ、羨まれていた。これが町の人たちを分断し、問題を深くした。

映画「MINAMATA - ミナマタ」の主人公である写真家ユージン・スミスのことは資料館では言及されていない。

本当は山の方にある「水俣病センター相思社」にも行きたかったのだが、歩いて30分はかかるので、雨が小降りになったところで、いったんホテルに戻ることにする。

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ホテルの方に戻っていると、一転して太陽が出てきたので、水俣駅から津奈木駅まで行ってみることにした。肥薩おれんじ鉄道という1両あるいは2両編成のローカル線だ。鹿児島・川内から熊本・新八代をつないで、海沿いを走っている。今回は2駅分しか乗らないけど、全部乗ってみると楽しそうだな。

津奈木駅で降りて、15分ほど歩くとつなぎ美術館という小さな美術館がある。小さな町に美術館があるっていいですね。ここではアーティストを招いて、津奈木に4ヶ月ほど滞在してもらい、その期間に作った作品を集めて展示していた。これはいいアイデアだと思う。町の滞在を楽しんでもらい、そこで作品を作ってもらう。このアイデアは何かに使えそう。

この美術館からモノレールが山に上の方まで伸びていて、それに乗ってみる。上には展望台があり、さらに奇岩・重盤岩(チョウハンガン)を見ることができる。ただ高所恐怖の私にはかなりチャレンジでした。

これといって見どころのない普通の町を歩くのが好きだな。