2024年11月23日(土)
この本をKindle Unlimitedで読んだ。
細谷功『フローとストック:世界の先が読める「思考」と「知識」の法則』(KADOKAWA, 2024)
https://www.amazon.co.jp/dp/4046054735?tag=chiharunosite-22
人々の活動、世の中の動きをCAFSマトリックスで分析することで、さまざまなアイデアを生み出すことがてきる。
1番目の軸は「具体(Concrete)と抽象(Abstract)」の軸であり、2番目の軸は「フロー(Flow)とストック(Stock)」の軸で、これによって2x2のCAFSマトリックスができる。
具体とは、ありのままの世界であり、これは言葉を持たない動物の世界と言える。対して、抽象とは、言葉や数、お金、知識で表現された「見えない世界」である。ありのままの世界は、言葉にされた途端に切り取られたものになる。これが「事実はひとつではない」ということの意味である。
ありのままの世界は言葉では表現できず、無理やり表現した途端にありのままの世界を切り取ったものになる。抽象化すればするほど、時間的・空間的な汎用性を持つようになる。同時に、すぐには役立たないものになる。学校で教えられる知識はすぐには役に立たない。なぜならそれは汎用性を持たせるように言葉で抽象化されているからだ。
フローとは動きや変化であり、ストックとは蓄積されたものである。商売においてはフローは個々の取引であり、ストックはそれまでの蓄積となる。人類はまずフローを中心とした狩猟採集社会を作った。そこでは、土地を持たず少人数で移動することが基本だった。その後、人類は農耕社会に移った。そこでは、大人数が定住し、土地を所有した。これがストックである。
所有は資本主義の原理である。ストックされた所有物は蓄積することが可能であり、蓄積することで格差を拡大した。このストックをリセットするためには生まれ変わることが必要であり、これを「世代交代」と呼ぶ。人が死ぬのは、その人が蓄積したストックをいったんリセットするという効果がある。
CAFSマトリックスは世界の現象を次のように切り取る。具体のフローは、ありのままの解釈の入らない世界である。これを見て、個人は抽象のフローにする。それはありのままの現象を切り取るためのアイデアや仮説を作り出すことだ。多くの人がそのようにしてある現象についてのパターンや法則を共有するとそれは抽象のストックとなる。これは教育で使われる知識であったり、教義やミッションとなる。