KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

自分の1998年を振り返ってみる

 さて、大晦日だ。この一年を振り返って書き留めておこう。

 まず、初めての子供ができたことだろうな。生活のペースもまったく変わってしまったような気がするが、不思議なことに以前はどんな生活をしていたのかよく思い出せない。はっきりしていることは、外食することがなくなったことと、旅行をしなくなったことだ。しかし、これも子供が大きくなって連れていけるようになるまでの辛抱だ。そのときはまた新しい楽しみが生まれるだろう。

 子供のいる生活はなかなか大変だ。あやたろうさんが書いていたが「子供を見るって、男の人がやると本当に見ているだけ」ということらしい。そういえば全く同じことを妻から何回か言われたような気がする。しかし、男は男なりに努力していることもわかって欲しい。同時にまた、子供の世話と仕事を比べたら、仕事の方が十倍楽だということも認めるのであるが。

 二つ目は、日記猿人に登録してほとんど毎日、日記を書くようになったことだろう。初めのうちは平日だけ書いていたのだが、途中から土日でも、また出張先でも書くようになった。大晦日のきょうもこうして書いているほどの、かなりの日記中毒になった。日記書きのために費やしている時間は累積すればかなりのものになるだろうが、たとえ日記を書かなくてもぼーっとしているだけで無為に過ぎる時間はたくさんあるのだから、その分を有意義に使ったと考えればよい。日記を書いている見返りとして、たくさんの面白い人と日記にオンライン上で巡り会えたのだから、おつりが来るほどの収穫である。インターネットを使いながらまだWeb日記を書いていない人には、そうすることをお勧めしていこうと思う。

 最後に三つ目は、40歳になったことかな。すごいね40歳って。20歳の2倍だもんね。2回も20歳をやっているようなもんだものね。この年齢になると焦りとかそういうものがあまりなくなる。これは自分にとっていいことだと感じている。というのも、自分は競争的な心理と焦りでずいぶん苦しめられてきたように感じているから。ここに至ってはっきりしたことは、競争心や焦りや(自分や環境に対する)不満というものは、あまり良い方向には働かないということだ。そういうことで苦しむのではなく、ただ自分の目の前にある仕事に全力を集中することだけが、道を切り開く最善の道だということだ。

 競争心を落としてから、ずいぶんと世界がすっきりして見えてきた。自分のやるべき仕事がはっきり見えて、周りの雑音に乱されずにそれに取り組むことができるようになる。結局はそれが一番楽しいことなのだ。競争でやる仕事はつらいが、好きでやる仕事は楽しい。システムや制度としての競争的事態は必然的に導入されることだろうけれど、ポイントはその仕事のプロセスでは競争を意識させないことだ。仕事のプロセスでの競争の導入はその仕事を汚すものだ。仕事の結果やプロダクトができて、その人の手を離れてから、競争させればいいのだ。そうすれば競争はあくまでも副産物に過ぎなくなる。すでに人の手を離れているからだ。「この論文を書かなければ次の任期はないよ」と脅されるような状況で、私は論文を書きたくない。たとえ書けたとしてもそれは論文ではない何か別の物だろう。

 ともあれ、1998年も暮れていく。明日は新しい年。