KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

甘口カレーに見る日本の甘やかし

 子供ができると、いろいろな点で自分の生活が変わる。その中でも、ごくささいな、取るに足らない変化ではあるが、見逃せないことのひとつが、子供に合わせて自分も甘口カレーを食べるようになるということだろう。

 甘口カレーというのは、いかがなものか。あれはカレーを食べた気がしないのである。なんだかハヤシライスみたいなのである。ハヤシライスであればハヤシライスだと主張して欲しいのだが、ほんの少しだけカレーなんですというような味がするのだ。そのどっちつかずなところがいかん。

 そもそも甘口カレーとは何事か。カレーは辛いに決まっているのだ。辛いからカレーなのだ。甘口カレーを食べたインド人やタイ人はきっと怒り狂うに違いない。甘口カレーはカレーにあらずと。

 そこでふと気づいたのだが、インドやタイには甘口カレーはないはずだ。ないにきまっている。タイでは子供もあの激辛タイカレーを食べていたはずだ。子供の頃から鍛えているから、タイの人はあの辛いカレーをなんともなく食べられるのである。

 お子さまだから辛くないものにしておけばいい、というのは大人の思いこみではないか。それもかなりはた迷惑で、子供を見くびったものだ。つまり甘口カレーは日本の甘やかしの原点であるという、そういう無理な仮説を立ててみたい。

 子供に辛いカレーを出してみれば、もしかすると、ちゃんと食べるのではないだろうか。次のチャンスに実験してみたい(←心理学者)。