KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

正統派ゼミ生

 告別式。たくさんの人が集まり、その中に同じ時期のゼミ生も。10年ぶりに会った人と「変わっていないねぇ!」と言い合う。こんな引き合わせも、先生からの贈り物のような気がする。

 こんなおしゃべりをする。

……先生は、本当に人の良い先生だったよね。人からいろいろなことを頼まれ、あてにされ、そしてそれを裏切らない人だった。だから、と言うべきか、「この道一筋」という決意によって初めて成し遂げられるような他者の追随を許さない業績があったわけではなかった。でも、それはそれでよかったのだろうね。

……人生を楽しんでいたよね。ゼミ生と一緒にいることを楽しんでいた。ゼミ生に「ああせい、こうせい」ということはけっして言わなかった。テーマを押しつけることもなかった。自由にやらせてくれた。そうした懐の深さがあった。

……いや、単に私たちがわがままで、先生の言うことを聞かなかっただけかも(笑)。先生が唯一こだわっていたのは、伊豆(土肥)のゼミ合宿だったな。先生だけがはしゃいでいて、ゼミ生はしぶしぶ行くって感じだったけれども、今になってみるとあの合宿は思い出深いものがある。

……私たちゼミ生は先生の生き方をきちんと受け継いでいるよね。そこそこがんばって、それぞれに職を見つけているわけだけれども、まあ、特筆すべき何かがある、というわけでもない(笑)。正統派ゼミ生。