公開講座の講師を務める。この仕事は、授業のあとで疲れているし、謝金もたいしたことはない。しかし、お金を払ってわざわざやってくる受講生はやる気まんまんである。どんなことでも吸収しようとする意気込み。それが楽しくて、機会があれば引き受けている。こうした形が「生涯学習」を標榜するこれからの大学のイメージであるかもしれない。少なくとも受講生は理想的だ。
大学教育学会でもすでに共通認識になっていたようだが、大学教員の仕事は次の3つだ。
- 研究
- 教育
- 社会的サービス
研究と教育はいうまでもないことだが、最後の社会的サービスも重要な仕事である。このカテゴリーには、(一般人を対象とした)講演、公開講座、また政府委員などが含まれる。教員の評価としては、これまで研究業績の(量的)評価に偏っていた。しかし、同様の重み付けで、教育と社会的サービスを評価していこうという動きになるようだ。
私のホームページでも、研究業績はすでに随時公開している。そこでは論文リストという形式が確立している。しかし、教育と社会的サービスについては、どのような形で仕事をまとめれば良いのかよくわからなかった。初めは試行錯誤になるかもしれないが、こうした形式をみずから作っていくことが必要であろう。
教育については、授業のポートフォリオという形で材料を集める。シラバス(授業の内容)、テキスト、補足資料、プリント、試験問題などがこれに含まれる。これらを元にして、次の内容をドキュメント化していくことになるだろう。
- 授業科目名
- 内容の概略
- 受講者数
- 最終成績の分布
- 出席率、休講回数などのデータ
- 授業の学生による評価(共通フォームがあればそれを使う)
そうすると、社会的サービスについても、ほぼ同様のフォームを利用することができそうだ。次のように。
- 講演タイトル
- 内容の概略
- ターゲットとする聴講者/聴講者数
- 講演の聴講者による評価(共通フォームがあればそれを使う)
- 講演の様子(デジカメで撮ったもの)
こうした形式が確立すれば、教育と社会的サービスについても、研究と同様の比重で評価がなされていくようになるのではないか。