KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

アラカルト方式の授業

 富山大学では、新入生向けの教養科目として「情報処理」と「言語表現」を設けている。このうち少なくともひとつを履修するようになっている。全学部の新入生は1500人ほどいるので、担当教員をそろえるのが大変である。それでもやっと軌道に乗ってきたところだ。

 しかし、軌道に乗ってきたところで、新たな問題も出てきた。それは、情報処理科目で扱う「パソコンとインターネットの使い方」をすでに高校までにやってきている学生が増えつつあることだ。そういう学生にとっては、何をいまさらということになる。その一方で、パソコンにさわるのは初めてという学生もまだまだ多い。パソコンを習ってきている学生は、言語表現科目の方を履修してもらえればいいのだが、そうではなく、楽に単位の取れる情報処理を履修する学生もいる。

 一方、言語表現科目は大学生のアカデミック・スキルとされる部分をカバーしているので、本来は選択科目ではなく、全学で必修の扱いにすべきところである。しかし、担当教員が少ないのと(20人程度)、少人数制を取っている場合が多いので、必修にするのは難しい。

 それで、将来的にどうすればいいのか悩んでいたのだが、ひとつアイデアを思いついた。

 それは、アラカルト方式の小さなコースをいくつか用意しておき、最低限の個数のコースを取ったら単位を認めるというものだ。具体的には、ひとつのコースは、3回程度の集中講義方式で、夜間(午後6時半から)に開講する。コースの内容は、情報処理であれば、「ワープロの使い方」、「メール、Webブラウザの使い方」、「表計算の使い方」、「C言語プログラミング」、「HTMLの書き方」など。また、言語表現であれば、「パラグラフ・ライティング」、「スピーチ」、「プレゼンテーション」、「レポートの書き方」などになる。

 このような小コースをいくつも用意しておき、学生は自分のニーズにあったコースを選択していくわけだ。最低で、5つのコースを完了したら「情報処理・言語表現」の単位として認定する。もちろん、やる気があれば、5つ以上、いくつでもコースをとってよい。カルチャーセンターでのやり方に似ているかもしれない。このようにすれば、学生は自分の実力と必要性に基づいて、スキルを身に付けることができる。

 このような方式をすでに取っている大学はあると思うのだが、どのような具合だろうか。もし、うまく行きそうなら、実現したいと思っている。