KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

初心者が使うには難しすぎる

看護専門学校の集中講義。「調査論」という科目なので、データの取り方、アンケートの取り方、Excelを使ったデータ整理の方法、レポートのまとめ方を内容として教える。今日を入れて三日間の予定。

自学自習のPSI方式ではなくて、少し説明して、実習をたくさんするという実習中心の授業だ。アシスタントとしてゼミ生の3人を連れてきている。去年、PSI方式でやってみて、なんとか全員が合格したものの、受講生も講師陣もかなり苦労したので、今回はPSI方式をとらないことにした。自学自習ができることというのはそれだけですごいことなのだということをちらりと思う。そう考えると、たとえば通信教育を受講して、単位を取るというのはすごいことだと言っていい。

ウィンドウズ機を使ってExcelを教えると感じるのだが、Excelは初心者が使うには難しすぎる。それは、マック上のクラリスワークス(今はAppleWorks)の表計算と比較してみると大きな違いだ。

まず、機能を増やしすぎている。そのためにメニューは煩雑で、深くなり過ぎている。また、小さくてわかりにくいツールアイコン群は、どれが何の機能を持つのかすぐにはわからない。

そして、微妙なマウス操作が多い。たとえば、あるセルを列方向あるいは行方向にコピーするためには、セルを選択してから、その右下にある小さな黒い点をコピー方向にドラッグしなければならないのだが、これは非常に細かなマウス操作を必要とする。しかも、この操作は、ある範囲を選択するという操作に似ているので、単に選択するつもりのところを、コピーしてしまうという誤操作がよくある。コピーしてしまうと元のデータが失われてしまうので被害が大きい。

クラリスワークスでやれば、簡単にできるのにな、と思うところがしばしばある。いくら描けるグラフの種類が多くても、大多数のユーザにとってはそんなことはどうでもいいことなのだ。

今、各地で行われているIT講習会でも、Excelを教えることがあるのだろうなと思う。今日、たくさんの受講生がつまづいたことが、全国の講習会でも同じように起こっているんだろうなと思う。なんだか暗い気分になってくる。

授業を終えたときに、「やっぱり表計算は難しい」という感想を持つのと、「表計算はなんとなく使えそうだ」という感想を持つことは、決定的に違う。