KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

授業の品質管理

前期の授業の最終回。

PSI方式の統計学C言語プログラミングの最終テストを行う。予想していた以上に、すんなりとは行かない受講生が多かった。その事実に対して、めげていたりする自分がいる。もちろん、軽々と満点を取ってくれる受講生もいる。こうした人たちの割合が増えてくれれば一番うれしい。しかし、それは全体の2割くらいか。

どこがうまくいっていなかったのだろうか、と思いめぐらす。通過テストが甘かったのか。通過テストのバリエーションが少ないので、応用力がついていなかったのか。

PSIによる統計学はもう5年目であるし、C言語も2年目だ。毎年、何かしら問題が浮かび上がってくる。そのたびに改善策をほどこすわけだけれども、そうするとまた違う問題が出てくる。複雑だ。

パーフェクトな授業などというのはない、ということを実感する。

おそらく、良い授業、悪い授業というのはなくて、バランスの取れた授業とそうでない授業があるだけだ。アンバランスな授業でも「良かった」という受講生はいる。「良い・悪い」はその人の価値観に強く支配されている。つまり、その授業の「内容」と個人の価値観やニーズとのマッチングに支配されている。しかし「バランスが取れた・取れていない」というのは、授業の品質管理に依存している。授業の品質は、教材を含めた教え方、受講生の動機づけのマネージ、評価の適切性、クラス全体の雰囲気の管理、TAの働き、などといった変数に支配されているはずだ。

良い授業ができるかどうかは、受講生とのマッチングという意味で、ひとつの賭けだ(もちろん良い内容を提供できるためには、教員が勉強していることが前提条件になるけれども)。一方、授業の品質管理という仕事には、賭けの要素はない。ただ地道にやるしかない。