KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

なぜ認知心理学は元気がなくなったか

東北大学から邑本(むらもと)さんをお呼びして、「教育統計」の集中講義をしてもらっている。

私の方は、ちょうど看護専門学校の「調査論」の集中講義が終わったところ。二人で飲みに行く。もちろん私はノンアルコール。

邑本さんは実験心理学が専門で、とりわけ文章理解の第一人者。そうすると、話題は心理学の話しかない。私も心理学のことであれこれおしゃべりできる機会は富山にいてはめったにないので、ついつい楽しんで饒舌になる。今日のテーマはとりわけ、「なぜ認知心理学は元気がなくなったか」について。

いや、本当に認知心理学が元気がないのかどうかはわからない。だいたい「元気」という言葉自体が主観的だ。だから、そう感じたということにすぎない。本当は元気があるのかもしれない。ただ私が最新の研究をフォローしていないだけなのかもしれない。しかし、それにしても認知心理学になんとなく元気がないような気がする、という話をしていた。

ひとつは、大きな発見がなされていないような気がすること。ふたつめは、研究方法が拡散していったこと。みっつめは、人間の知的な活動についての有効なモデルがないということ。

話しているうちに、だんだんと気が滅入ってくる。そうした中で確認できたことは、自分はやはり研究をしたいのだな、ということだ。なんじゃそりゃ。