KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

アラン・ケイ

NHK教育の番組『未来への教室』を見る。アラン・ケイが学校に行って、彼自身のアイデアであったパーソナル・コンピュータを語り、新しいプログラム環境Squeakを使って、生徒にプログラミングのおもしろさを知ってもらうという企画だ。

ケイは61歳になるそうだ。歳よりもずっと若々しく見える。自宅でパイプオルガン(!)を弾く様子がナチュラルですてきだ。

彼によれば、コンピュータは高機能になったけれども、まだまだ「使える」ものにはなっていないという。ただアプリケーションが増えただけだ。コンピュータでお金持ちになった人はたくさんいるが、彼自身は子供のために使えるコンピュータを作りたいという気持ちだけなのだ。

Squeakは、お絵かきソフトで描いた絵そのものにスクリプト(プログラム)を埋め込んで、動かしたり制御したりできるものだ。ちょっとロゴ風のところもある。スクリプトにはレゴロゴのテイストも感じる。オブジェクト指向というやつなんだろう。

子供たちが作ったプログラムは、たとえば、宇宙船がいん石をよけながら進んでいくゲームや、アリがケーキやその他の食べ物を食べるとその食べ物が消えていくものなど。子供たちが、できあいのゲームをやるよりも、自分でゲームを作る方が楽しいといっていたのが、印象的だった。Squeakを大学の情報処理の入門で使ってみたいと思わせる。プログラミングのおもしろさを実感するには最適なのではないだろうか。

「未来を予測する一番いい方法は、未来を発明してしまうことだ」というケイの言葉が印象的だった。