KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

P. F. ドラッカー『明日を支配するもの』(上田淳生訳)

明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命

明日を支配するもの―21世紀のマネジメント革命

ソニーの成功はテープレコーダの成功から始まった。しかしテープレコーダはソニーの発明ではない。最初のテープレコーダに新しいものを付け加え、次の製品を作り続けただけだ。一歩一歩は大きくない。

・チェンジリーダーになるためには2つの予算。ひとつは現在の事業のための予算に80-90%。もう一つは未来のための予算。これはいつでも一定に保つべき。

・「解説本」:専門家による非専門家のための本。その本質は、娯楽性と教育性を兼ね備えた情報提供である。

・「医者として成長する最高の方法が、自ら患者として2週間ほど入院することであることは、古くから知られている」

テイラーの生産性向上の手法:タスク分析、タスクマネジメント、のち科学的管理法と命名。さらに、WWI後インダストリアルマネジメントと呼ばれた。

テイラー主義は肉体労働の生産性向上には使える。しかし、これからは知識労働が増えてくる。アメリカでは2/5がそれ。知識労働の生産性向上のポイントは:仕事の目的を考える、自らをマネジメントする、継続してイノベーションを行う、自ら継続して学び、人に教える、知識労働の生産性は量よりも質であることを理解する、知識労働はコストではなく資本財であることを理解する。

・知識労働者の多くは、テクノロジスト=高度技能者である。病院の検査技師、リハビリ訓練師、レントゲン技師、歯科医、自動車修理工など。そして先進国が競争力を維持するためのポイントは、テクノロジストの教育訓練にかかっている。

・「40人の生徒をもつ先生は、一人ひとりの学び方をみるだけの時間がない。そこで彼らは、全員が、同じ勉強を、同じ仕方で、同時に行うことが、あたかも当然であるかのふりをする。そのためも誰もが、学び方は一通りしかないものと思いこむようになってしまった。/しかし、とくにこれからは、新しく登場した情報技術が、それぞれの仕方で仕事ができるようになする。学校でも、並の先生が、一人ひとりの生徒の学び方を理解し、それぞれに適した勉強をさせられるようなる。」

・「かつて私が、優れた学術書を書いたアメリカの大学教授について調べたとき、かなりの人たちが、教えているのは自分が話をするのを聞きたいからだ、そうすることによって、はじめて書けるようになると答えていた。」