KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

教育工学研究会@早大教育学部

先週の土曜日は、教育工学研究会@早大教育学部に11時半頃から最後まで参加した。研究会に出たのは久しぶりだ。これからは首都圏の研究会には、交通費の心配をしないで気軽に出られるのだな。

その時のメモをまとめておこう。

大福帳をA3判二つ折り(つまりファイルフォルダ)にして、ポートフォリオを挟めるようにする(これは、発表に全然関係ない。発表を聞いているときに突然思いつく。こういうことがよくある。脳がそっち方向に活性化されるせいだろう)。表紙には、科目と名前。裏表紙には、シラバス、スケジュールを刷り込む。見開き2ページには例の大福帳を印刷しておく。課題・実習型の授業には、こんなふうにしてポートフォリオを蓄積していくというのはどうだろう。

美馬さん@はこだて未来大の発表は毎度のことながらエキサイティングだ。未来大のスケルトン設計が、その中で行われる活動を決める(制約する、アフォードする)ような気がした(未来大学という名前に負けない先進的な設計だと思う)。たとえば、丸見え研究室が嫌で、最初はブラインドをおろしていた教員も、だんだんと開け始めるようになる。また、自分の宝物を自慢するようにディスプレイする教員もいる。そうなふうにして、自分の行動を変え、また本来自分がこもるはずだった研究室を一種のショウルームにしていく。これは設計の力と言えるのではないか。

松居さん@電通大と、授業を録画したものをどのようにして(自動的に)編集できるかという話をする。一種の情報縮約の問題。90分の講義を収録したビデオを20分に編集する。編集者によってどこをカットし、どこを活かすか。また、講義者自身に編集させると、どこがちがってくるか。いくつかの編集ビデオを比較して、どこが共通なのか、どこが違ってくるのかを調べる。違ったビデオを視聴させて、評価させるとどう違ってくるのか。

追加で思いついたこと。講義ビデオを見てもらう人に、一度は通して見てもらい、2度目は早送りモードで見てもらう。どこを早送りにし、どこを標準で見るかによって、内容の重要度が測れるはず。

<カリキュラム/コース/毎回の授業/授業内の活動やトピック>という階層構造全体についての制約構造についてアイデアが浮かぶ。授業全体の設計も制約構造によって決まってくる。目標が、下位目標を制約し、下位目標がひとつひとつの授業を制約する。ひとつの授業はその流れで、次の授業を制約する。ひとつひとつの授業は全体の目標の中でその意義をチェックされる。つまり、ここでも授業のcoherence一貫性ということが計測されうる。構造化された文章と同型の構造が見られるはずである。

授業にジャンル・アプローチを適用するとすれば。教える内容によって教え方が決まる。また、教え方が決まると、教える内容が制約を受ける。つまり、教える内容と教え方とは相互に制約をかける。教員は教え方のレパートリーを広く持っていなくてはならない。