KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

訴訟社会

学校図書が発行した中学2年向け国語の教科書で、私の文章「留守番電話はなぜかけにくいか」が4年間にわたって掲載されていた。今はもう切り替わって、掲載されていない。もう携帯電話の時代だものね。

教科書の掲載に対する対価は、それが教育目的であるために非常に安く抑えられている。安くはあるが一応著者に支払われる。

しかし、その一方で、教科書をネタにした参考書や問題集を発行している出版社(教科書会社ではない)は、なんとタダで教科書からの文章を無断で利用し続けてきた。それで儲けているわけだから、明白な著作権侵害である。

そこで、教科書に文章を掲載されている著者たちが集団で、そうした出版社を相手にして訴訟を起こした。私も原告団の一人になっている。当然、無断使用側に勝ち目はなく、次々と勝訴の判決が出ている。

和解が成立した出版社からは、これまでの間に支払うべきであった使用料と慰謝料が振り込まれてくる。そして、その金額の約半分は弁護士に行く。それでも、訴訟ができなかったらその金は手元に入らなかったわけであるから、弁護士には感謝しているのだ。

日本も訴訟社会に入りつつあるということを、何となく実感した。これからロースクールも繁盛することになるのだろう。