信州大学のeラーニングについて知りたいと思っていたので、大変参考になった。以下はそのメモ。
信州大発"学び"のビッグバンプロジェクト
(不破 泰 信州大学大学院工学系研究科教授)講演
- 評論家はたくさんいるが、自分で作ってくれる人が少ない。最初は、若手教官のゲリラ的取り組み。
- 一斉授業は、小学校でも、大学でも限界。昔のCAIを見て、物好きだなあと思っていたが、それを今やる必要性。
- H14日本初のインターネット大学院開講。H16インターネット大学3年次編入開講。一般公開していてモグリでも聞ける。
- 毎年70人入学(博士前期課程)、10-20(博士後期)、22(3年次編入)。9割社会人。30,40代中心。
- eラーニングのポイントは学習効果が高いコンテンツの開発。
- 自己ペースで学べるという特徴を生かすには、VODじゃなく(教員のペースだから)、静的な教材で自習し、章の終わりに確認テストをする形式(#PSIだね、ただしテストは自動)が良い(たとえばC言語の授業)。
- 教材を宅急便で送り、自宅でハンダ付けや配線をやってもらう形式もある(ホームセキュリティサーバを制作する実習型授業)。
- 2004年で67科目のeラーニング教材を公開中(大学院40科目、学部27科目)。
- Webゼミナールシステム:自分の似顔絵を入れて、議論できるような場所。
- レポート提出システム:一回限りでなく、何回もコメント、再提出させる。
- 社会人相手なので、土日の運用も必要。アウトソーシングしている。
- eラーニングコンテンツというのは新しい時代の教科書である。これを多くの人に読んでもらってこそ良いものになる。教員の普段のノートを元に、チームがコンテンツ化。それにテストやレポート課題を追加。
- 多くの大学と連携してeラーニングコンテンツを作っていきたい。
質疑
- 教官全員の取り組みではない。その説得の方が大変な仕事。
- コンテンツは学習者の不満をくんで少しずつ改善する。
全体としては、CAIスタイルのコンテンツが中心のようだ。大学院のようなゼミスタイルをどのようにしてeラーニングで実現しているのかを知りたかったのだが、あまり詳しい話はなかった。ただ、自分の似顔絵付で自己紹介して、議論をしていく場が提供されていると言及されたのみ。そこを詳しく聞きたかった。
それにしてもシンポジウムがこんなふうにしてインターネット経由で聞けるようになったんだなあ、と。公開研究会とか増えていくんでしょうね。