KogoLab Research & Review

遊ぶように生きる。Vivi kiel Ludi.

中西紹一『ワークショップ 偶然をデザインする技術』

ワークショップ―偶然をデザインする技術

ワークショップ―偶然をデザインする技術

自然淘汰説に対立する「木村学説」(有利でも不利でもない中立的な遺伝子変異の蓄積が、偶然的な機会にマッチしたときに生き残ってゆく)にワークショップをなぞらえて、「中立変異」の生成こそがワークショップの特質だと主張する。

  • ポストペットの企画書は、「自分が欲しいからみんなも欲しいだろう」というスタンスで書かれていた。マーケットへの言及は皆無だった。
  • ピクニックは本来社交の場であり、ホストとゲストのない平等な集会。対して、キャンプは軍隊の行動スタイルが基盤になっており、労働とその役割分担を通じて仲間意思を共有しようとする。ワークショップはピクニックに似ている。
  • 討議と実際に身体を動かすことのバランス。知識の共有と経験の共有のバランス。新しいものを創造する目的と、既存のものを改良する目的。
  • ワークショップのドキュメンテーションとして、言語的なものとともに非言語的なものも重要。経験の共有という意味で。
  • ワークショップというのは、昼間にアルコール抜きで飲み会の雰囲気を創ること。